1971年5月16日 イヴォンヌ・レイナーがアメリカに帰国後、インドでの体験をもとに《Grand Union Dreams》を制作・発表する。トリシャ・ブラウンもパフォーマーの一人として参加。
https://scrapbox.io/files/6309f985d4d847001d4d0e5b.png
日付:1971年5月16日
小咄:
ダンスに幻滅してニューヨークに戻ったイヴォンヌ・レイナーは、その言葉とは裏腹に、すぐさま新作にとりかかる。それはインドで経験したことを反映させた、ダンスでも演劇でもなく、その中間に位置するような奇妙なパフォーマンスだった。できあがった《Grand Union Dreams》は、イヴォンヌ・レイナーがはじめて自分のダンサーに演じるべきキャラクターを与えた作品となる。役割は「死すべき者たち」、「英雄たち」、そして「神々たち」という三つで、最初のカテゴリーには有名ではない駆け出しのダンサー、最後のカテゴリーにはトリシャ・ブラウンを含む名の知れたダンサーを配置することで、ニューヨークの実験的なダンス・シーンにおけるヒエラルキーを神話的なヒエラルキーにそのまま見立てる。こうした仕掛けは参加者にも不評で、ずっとあとになって再演をこころざす若者に覚えている内容を教えてほしいと頼まれたトリシャ・ブラウンは、とにかく何も覚えていないと答える。レイナー自身の答えにしても、よく覚えていないから、当時の資料をアーカイブしているゲッティー・センターに行けという突き放したものになる。じっさい、この作品をたった一度だけを上演した直後にレイナーはダンスを作ること自体をやめ、映像作家に転じる。
場所:
#米国
#ニューヨーク州
#ニューヨーク
関係者:
#イヴォンヌ・レイナー
#トリシャ・ブラウン
#タイプ:出来事_SIDE-B
#1971年